番外編です。中嶋さんのブログを拝見していたら、思い出し、書きたくてウズウズしてきちゃったので。

 

シンクタンクに在籍中、「世界遺産を調査する」という夢のような仕事がありました。

私は、「ヨーロッパ、アラブ」地域の担当となり、「人が住んでいる、または今でも人が利用している世界遺産ならどこでもよい」という条件で、3-4箇所調査にいけることになりました。

 

何度か書いてますが、「女子仮眠室」のある会社で、夜昼なく、土日なく働いていた時代だったので、事前のリサーチや出張旅程、通訳から何からの手配、出張そのもの含めて、過酷なスケジュールでしたが、良い思い出です。

 

夢のような調査ではありますが、まず、行き先を決めるところから、センスが問われます。「今でも人が住んでいる、または利用している世界遺産」。そして出張旅程は各箇所1-2日。インタビューのやりなおしはできません。緊張感あふれる調査でした。

 

まず私が選んだのが、イエメン。3箇所ある世界遺産のうち、サナアという首都の旧市街と、シバームの旧城壁都市。どちらも、今でも人が暮らしています。

 

ここで余談。ものすごい余談。

イエメンにはシバームという都市が二つあるんです。ひとつが世界遺産のシバーム。もうひとつが、コーカバンという街と双子都市のシバーム。で、私は、双子都市のシバームに行こうとしていました。確か、出発の前々日まで!!

….当時、本当に忙しかったんです….言い訳になってませんが。

 

とにかく前々日に、やっと出張のことを少し心のゆとりを持って考える時間ができて、といっても、忘れもしない、会社からの帰りの電車の中でした。そのくらい、時間なかったんだなー、当時の私。で、最終チェックをしていて、突然、自分のミスに気が付いた!もう本当に、焦るを通り越して、愕然としました。それまで、もちろん仕事として何度も確認したり、旅程組んだりしてたのですが、シバームがまさか二箇所あるとは全く考えてなくて、(コーカバンと双子都市のシバームもバリバリ人が住んでいるし)、気づかなかったんです。

 

しかもよりによって、間違えた相手国がイエメン。英語→アラビア語。連絡つきにくい。何よりも、インタビューの相手は?これから、一体、どうやって探す?部族社会が残っていて、行政に連絡を取ればなんとかなるという国ではないんです。間に合うのか。

 

ソッコウ、会社に電話。上司は徹夜だったんでしょうか?ワタシも終電だったはずだけど、会社にいましたね。怒るを通り越してあきれ果てられたけど、出発後に気づくよりは百倍マシ。間に合わせるしかありません。

 

その後どことどう連絡をとって、どう間に合わせたのか、残念ながらその部分はもう覚えてないんですが、とにかく、間に合わせました。

 

こうやって思い起こしてみると、私の「粘り強さは筋金入り」は、この時代にも間違いなく、強化されましたね。20代後半に、本当にありがたい経験だったけど、粘らずにはいられない局面が本当に多かったっ!

 

そしてイエメンの調査、まだまだ驚きの事態がつづくんです。それよりなにより、素晴らしかったですけど。

 

<続く>