先日、自治体等の公的機関を対象とした、ソーシャルメディアの効果的な活用術・事例などについて講演できないか、という打診をいただきました。

 

せっかくいただくお話ではあっても、今自分のやっていることに関係がなければ、きちんとその旨お伝えしてお断りするのですが。

 

今回は、理由なくお断りするのは、ちょっとひっかかりました。そこで、私の見解をお伝えして(おそらく先方の期待とは異なるでしょうが)、それでいいならお受けしよう。そうでないなら、別の方を探していただこう…というお返事を出しました。

 

なぜひっかかったかというと。この問題、土曜日に、岸本さんが住民ディレクターNEWSに書いておられた「顔出し、名前出し、金出しの理由」に直結するから。

http://blog.goo.ne.jp/0811prism/e/0f7d8f7ac9b6afab907a51b4ea02392f

 

ということで、一見全然別の問題にみえるのですが、実は、社団でやってること、その理念というか理由というか、根幹の精神をお伝えすればよい、と感じたのです。

 

 

先方に出したメールの概要

■自治体さんでのソーシャルメディアの活用としては、古くは1999年に自治体職員さんとご一緒に運営させていただいたメーリングリスト(35都道府県、100ほどの市町村さんがご参加)の運用時から、「個人か、組織か」ということが課題でした。

 

「組織」を背負った発言となった瞬間に、自由な議論が疎外されますので、私自身は、ソーシャルメディアの利用は、(自治体であっても)個人参加が原則と考えております。 メーリングリストは完全非公開で運用可能ですので、1999年当時は、「非公開」とすることで、職場アドレスを利用する場合も「個人」としての意見を述べることを可能として運用しました。

 

■以後10数年。 昨今では、twitter、Facebookなどが興隆しておりますが、私の考える基本原則=個人参加が原則、は変わりありません。 すなわち、「自治体名」アカウントではなく「個人名アカウント」での発言ということになります。

 

実際に、Facebook先進自治体の武雄市さんが、2012年4月から全職員さんをFB登録させるとのこと。これは自治体であっても、ソーシャルメディアに個人参加する流れだと考えます。

 

現実的に難しいとお感じになる自治体様も多いと思いますが、実際に武雄市さんではじまる動きにもなってまいりましたし、個人(実名)参加にすることにより、炎上などの問題も解決方法が見えてまいります。身もふたもない言い方ですが、究極には、個人が責任を持って発言する、ということが、情報発信の原則だと考えております。

 

■上記考えに基づき、昨秋に立ち上げた一般社団法人八百万人は、完全実名にてSNSを運用しております。

 

先方からは、 

。炎上や不適切発言を防止するためのポリシー策定・運用等に関するアドバイス。

 

というオーダーもあり、私の考える世界とは相当違うことは想像に難くないので、多分断られるでしょうし、私も無理に講演させていただくつもりは全然ありません。

 

ただ、八百万人でやってることが、いろんな場面に共通して力を発揮するようになってきた、とはっきり感じた瞬間でした。